4.腎臓疾患
腎血管性病変
腎血管性病変としては、腎動脈瘤、腎動靜脈瘻、腎血管性高血圧、腎梗塞、腎静脈血栓症などがあります。症状としては、血尿や腹部の疼痛もあり、腎部に血管雑音が聞かれることもあります。確定診断は、血管造影です。治療は、経皮的選択的血管塞栓術などが多く行われます。開腹手術が必要なこともあります。また、腎動脈の狭窄病変には、心臓の血管に対する治療と同じように、風船で狭窄部を拡張したりすることもあります。
腎不全
急性腎不全
急性腎不全とは、糸球体濾過量が急激に低下した状態で腎前性、腎性そして腎後性に分けられます。基本的には機能回復が期待されます。臨床症状や検査所見および画像診断から、前記のどのタイプに分類されるか、診断を迅速・的確に行い原因を除去し、時には緊急に血液浄化法を併用することもあります。1~2週間から、数カ月かかることもあります。また、回復できずにそのまま慢性腎不全に移行することもあります。慢性腎不全
慢性腎不全は、腎のさまざまな機能の不可逆性・進行性の機能障害をあらわす病態と定義されます。尿中に排泄されるべき物質が徐々に蓄積し、いわゆる多彩な尿毒症症状が出現してくることになります。透析が必要になるまでは腎保存期といわれ、生活指導、食事療法、薬物治療が行われ、腎機能の維持を図ります。しかし、腎機能が低下し尿毒症症状が出てくる時期になると透析治療が行われます。透析には、血液透析と腹膜透析とがあり、日本では90%以上が血液透析ですが、それぞれ一長一短があり原疾患や仕事、ライフスタイルなどで選択したり、いずれかをお勧めする場合があります。また、腎不全の治療としては腎移植があります。日本の腎移植は、約70%が生体腎で約30%が死体腎移植です。生体腎が困難な場合腎バンクへ登録して提供者を待ちます。