また、当科では令和元年から脊椎脊髄外科を専門領域(日本脊髄外科学会認定医、脊椎脊髄外科専門医)とする医師が常勤して、脊椎脊髄疾患(脊椎変性疾患、脊椎外傷、脊髄損傷)から末梢神経障害(手足のしびれ、痛み)の診療まで、幅広い脳神経外科・脊椎脊髄外科診療を行っています。地域での医療連携にも重点を置きながら、苫小牧市および東胆振・日高医療圏に貢献します。
脳血管内治療への取り組みを開始しました。詳細は以下をご覧ください。

当院は、「レセプト等情報を用いた脳卒中・脳神経外科医療疫学調査(J-ASPECT Study)」へ協力しています。詳細は以下をご覧ください。

当院は、「脊髄髄内腫瘍の治療成績と予後改善の解明」へ協力しています。詳細は以下をご覧ください。

当院は、「脳卒中を含む循環器病対策の評価指標に基づく急性期医療体制の構築に関する研究」へ協力しています。詳細は以下をご覧ください。

対象疾患
脳梗塞
脳梗塞は、発症早期に治療を行うことで、症状の改善に寄与する(4.5時間以内のrt-PA、アルテプラーゼ療法)こと、特に近年では、急性期の脳主幹動脈閉塞に対する、脳血栓回収療法(カテーテルを用いた機械的血栓回収)の有効性が確立され、当科においても積極的に救急対応を行う体制を整えています(一次脳卒中センター認定施設、日本脳卒中学会)。(参考)日本脳卒中学会 https://www.jsts.gr.jp/common/overview.html
脳出血
脳出血は、原因の検索と保存的治療が中心となりますが、重篤で出血量が多く、意識障害や脳ヘルニア状態により、生命の維持に危険がおよぶ際には、緊急的な手術治療(開頭血腫除去、脳室ドレナージ)での対応も行います。くも膜下出血
くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤が破裂(出血)することで発症し、再出血することで、死亡率が高くなり、重篤な後遺症状も残ることが多くなるため、急性期の手術治療(開頭クリッピング、コイル塞栓術)および、全身管理を行っています。頭部外傷
脳振盪症状に対する保存的治療、頭皮裂創に対する創部処置から、頭蓋骨骨折、頭蓋内出血病変(脳挫傷、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫など)に対する管理を行います。脳腫瘍
脳腫瘍は、腫瘍の性質によって機能/生命予後や治療方針(脳腫瘍摘出手術、放射線治療、抗がん剤治療など)が異なり、選択していく必要があります。特に転移性腫瘍の場合には、他科との協力や橋渡しを含めて、総合的(集学的)な診療を進めています。機能的脳神経外科
機能(的)脳神経外科とは、「神経機能障害の改善を目的とする脳神経外科」とされ、顔面けいれん、三叉神経痛や、パーキンソン病に代表される不随意運動症、脊椎脊髄疾患や末梢神経障害に関わる難治性疼痛などが、主な対象疾患となります。脳神経内科や専門医への紹介を含めた診療、手術治療を行っています。脊椎脊髄疾患
頚椎疾患(頚椎症)から胸腰椎疾患(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど)まで、脊椎外傷(脊椎骨折、脊髄損傷)、骨粗鬆性椎体骨折を含めた、脊椎脊髄病診療を行っています。診断から手術を含めた治療、リハビリテーション支援まで、脳神経外科としてのシームレスな診療(脳・脊椎神経から末梢神経まで)を行います。(参考)日本脊椎外科学会 http://www.neurospine.jp/original7.html
脳ドック
脳ドックは、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の発見、脳梗塞の原因となる頭蓋内と頚部血管(動脈)の閉塞や狭窄所見の有無、脳実質の状態把握などに主眼を置き、脳MRI撮影を実施して結果報告を行っています。予約制となっておりますので、詳しくは医事課健診担当にお尋ねください。診療実績 令和2年度(4~3月)
入院患者数(延べ)8,852人、入院数 482人外来患者数(延べ)5,560人、新患数 616人
手術件数 126件
- 脳血管障害 74件
(直達手術44件、血管内手術30件)
破裂脳動脈瘤、くも膜下出血- 15件
クリッピング 8件
RAbypass+trapping 1件
コイル塞栓 6件
未破裂脳動脈瘤 - コイル塞栓 1件
頚部内頚動脈狭窄 - CEA 3件(慢性期)
STA‐MCAバイパス 1件(急性期)
急性期脳梗塞 - 脳血栓回収 22件
(うち急性期CAS併用 2件)
脳硬膜動静脈瘻- 脳血管内手術(Onyx塞栓) 1件
(診断+治療AGを含めて、合計AG-67件)
脳出血- 開頭血腫除去(脳内) 7件
急性期水頭症(脳出血、くも膜下出血)9件
急性硬膜下血腫 - 開頭血腫除去(硬膜下) 1件
慢性硬膜下血腫 - 穿頭血腫洗浄ドレナージ 14件 - 脳腫瘍 13件
脳腫瘍 開頭腫瘍摘出(+生検) 12件
髄膜腫6、悪性神経膠腫1、転移性3、
悪性リンパ腫(生検)2
脳膿瘍 排膿ドレナージ 1件 - 脊髄脊椎外科 22件、末梢神経外科 1件
頚椎症性脊髄症/神経根症(3)
頚椎後縦靭帯骨化症(1)
頚椎椎間板ヘルニア(1)
(外傷性、頚椎)脊椎骨折 (1)
脊髄(頚髄)損傷(3)
胸椎黄色靭帯石灰化(1)
腰部脊柱管狭窄症(4)
腰椎椎間板ヘルニア(3)
腰椎椎間孔(外)狭窄(1)
脊髄腫瘍(2)
(硬膜外血管腫1、硬膜内髄外腫瘍1)
脊髄性疼痛(1) 手根管症候群(1)
→
前方除圧固定(頚椎) 4件
後方除圧 10件
(頚椎4、胸椎1、腰椎5)
脊椎後方固定 (頚椎) 2件
ヘルニア摘出 3件
(腰椎外側開窓2)
脊髄腫瘍摘出 2件
(硬膜外1、硬膜内髄外1)、
(頚髄)神経血管減圧 1件
末梢神経剥離 1件
(正中神経1) - 機能外科、その他
水頭症(正常圧、SAH後、外傷後、シャント再建) 8件
-VPシャント1件、LPシャント7件 - その他
開頭減圧術 1件
頭蓋骨形成 2件
髄液漏閉鎖 1件
異物抜去 1件
頭部創処置 2件
担当医職・氏名 | 資格 | 専門(得意)分野 | |
医 長 | 山内 朋裕 (ヤマウチ トモヒロ) |
日本脳神経外科学会専門医 日本脊髄外科学会認定医 脊椎脊髄外科専門医 |
脳神経外科 脊髄外科分野 |
医 員 |
大木 聡悟
(オオキ ソウゴ) |
日本脳神経外科学会専門医 | 脳神経外科 脳腫瘍、脳血管障害 |