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016 NICU看護師長

患者を支える「看護」の現場(5)

取 材:2026/6月
 

―簡単にご経歴を教えてください

 
職歴の中では、外来や救急外来の勤務が長かったです。患者さんやご家族の方の気持ちに寄り添って看護を行う姿勢というのは、救急外来で経験したことが今に繋がっているのではないかと思います。現在、師長になって11年目になります。

―師長として何を大切にしていますか


 安心安全な看護の提供と、公平な姿勢でスタッフと向き合い、スタッフが力を発揮できる環境を整え、一人一人の成長を支援する、ということを大切にしています。

 公平にということでは、一方からの情報でのみ判断するのではなく、何事も関係者双方のお話を聞いてから考えるようにしています。
 
また、スタッフが力を発揮できる環境作りのために、安心して相談できる職場の雰囲気を作ることを心がけています。NICUはワンフロアなので、だからこそできる協力体制や、チームワークを大切にしたいと思っていて、日頃からコミュニケーションをとり、必要な時には早期に声掛けや面談を行うなど、一人で抱え込まないように配慮しています。
 
次に、「ありがとう」という感謝の気持ちを言葉で伝えることや、スタッフの良い点や努力を積極的に認めて伝えるポジティブアプローチを大切にして、やりがいを持って働ける職場づくりに努めています。



―最近の取組みを紹介してください

 スタッフの頑張りがきちんと形になり、やりがいにつながる環境づくりも師長としてとても大切にしています。たとえば、NICUでは日々の看護問題に対するカンファレンスや育児指導に力を入れて取り組んでいるので、日々の努力が成果として実感でき、看護の質も自然と高まるようなことができればと考えています。

 その取り組みの一つとして、医療的ケア児の退院前訪問看護を新たに開始しました。退院前に看護師がご家庭を訪問し、医療的ケアの環境やご家族の不安を一緒に確認することで、ご家族の安心感につながり、退院後の実際の生活環境に即した支援が可能になりました。
 
また、退院後についても、入院中に関わった病棟看護師が外来受診の際に外来に降りて、退院後の困りごとや不安などがないかお話を伺い、必要な場合は外来に情報を伝える退院後外来訪問を実施しています。入院中から退院後までの継続看護を行うことで自分たちの育児指導を振り返ることができますし、その時に赤ちゃんの写真を撮らせてもらい、成長した赤ちゃんの写真を見ることで私たちもとても嬉しく、やりがいにつながっています。
 
このような形で、今後も看護の質の向上につながるような取り組みや、モチベーションアップにつながるようなことを提案していきたいです。


 

―新人や異動者のサポート体制を教えてください

 
NICUでは、新人職員や中途入職者が安心して業務に取り組めるよう、看護部の年間研修に加え、部署独自の専門的な教育プログラムを実施して、概ね2年をかけて指導を行い、最終的には超未熟児(体重1,000g以下)や医療的ケア児のプライマリーナースを担えることを目標としています。

 中途入職者や異動者では、対象が小さいため戸惑うスタッフも多いですが、NICUの特殊性を伝えながら、教育を進めています。また一人一人にプリセプターを配置し、見学から始めて段階的に実践へ進めるなど、個々の習熟度に合わせたマンツーマンの指導を行っています。ワンフロアなのでわからないことはすぐにプリセプターや周りのスタッフに相談でき、一緒に確認しながら学べる環境を整えています。
 
更に、プリセプターだけではなく主査や師長との面談や振り返りの機会も設けており、安心して働いてもらえるよう、多方面からサポートできる体制を整えています。



―NICUでやりがいを感じることは?


 赤ちゃんとお母さんが見つめ合っているときに、親子の絆を感じ、本当にすごく幸せな気持ちになり、ここで働いていてよかったと思います。小さく生まれた赤ちゃんや疾患を抱えた赤ちゃんのご家族が毎日NICUに通ってくれて、赤ちゃんが元気にNICUを退院する姿を見ると、とてもやりがいを感じます。
 
スタッフたちも、とても親身になって愛情を持って看護しています。配属された当初は赤ちゃんにどう声をかければいいのかわからないという人もいますが、赤ちゃんへの声掛けも大切な看護なので、新生児についての教育や先輩たちの姿を見て、だんだん慣れていきます。



―どんな人がNICUに向いていますか?

 赤ちゃんは自分が苦しいとか、辛いということを訴えられないので、赤ちゃんの全身状態や呼吸の状態、モニターの情報から、早期に辛さや異常を発見できるような、観察力やアセスメント力も重要になってきます。また、NICUは小さな赤ちゃんのお世話や、注射量も大人と比べて微量なことも多く、細かい作業が多いことも特徴の一つです。
 ただ一番は、赤ちゃんとご家族に寄り添う優しさと誠実に学ぶ姿勢を持ち、部署のスタッフや多職種と協力しながら看護に取り組める方で、何よりも、赤ちゃんを大切に想い、その成長やご家族の支えになりたいという気持ちを持った方に向いていると思います。

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