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012 西6病棟看護師長

患者を支える「看護」の現場(1)

取 材:2026/5月
 

―簡単に経歴を教えてください
 

 現在の病棟にきてまだ2年目に入ったばかりです。それ以前はICUに12年、循環器病棟に8年ほど勤務し、約20年間循環器の患者さんに携わってきました。自分のベースは、ICUでの経験にあり、看護知識を深めるため、研修にも積極的に参加してきました。

 

―看護で大切なことは何ですか
 

 長く看護に携わってきた中で共通して感じてきたことがあります。病気によっては、入退院を繰り返す方も多く、病気の治療だけではなく、生活背景や患者さんの人生そのものを支えることの大切さを学んできました。

 

―看護師はどう支えていくのでしょうか
 

 独居の方もいますし、食事や薬の管理、仕事との両立など、年齢も背景も抱えている不安はさまざまです。体が思うように動かないこともあり、生活リズムの調整や自己管理が大きな課題になります。例えば、リハビリはリハビリ職が担当しますし、栄養指導などは栄養管理科の職員が対応します。その中でも、食事や薬、生活全体の調整は看護師が担う部分も多く、リハビリテーション科の職員や、栄養管理科の職員など他職種と連携しながら支援していました。看護師は、患者さんの生活を一緒に組み立てることも大事だと感じています。
 



―看護のやりがいを感じるのはどんな時ですか

 退院後、病棟にわざわざ顔を出して声をかけてくださる方もいて、そういう瞬間はやりがいを感じます。もちろん、患者さんの反応は様々です。話をしっかり聞いてくれる方もいれば、なかなかうまくいかない方もいます。その中で、大切なのは、相手の性格や状況に合わせて信頼関係を築くことだと思っています。

 

―ご家族への関わりで大切にしていることは?
 

 急な入院をされる際には、ご家族が動揺していることも多いです。まずはその気持ちを受け止め、どこに不安があるのかを丁寧に聞き取ることを大切にしています。また、医師の説明を十分に受け止められていないご家族もいます。理解に不十分な部分があれば、再度医師へ説明を依頼したり、生活背景の情報を集めたりと、ご家族の支援につながるよう働きかけます。ICUでの経験が、こうした家族支援の基盤になっていると感じます。



―若手の育成では何を大事にしていますか
 

 管理職になってからは直接患者さんと関わる機会は減りましたが、教育では、「段階的な目標設定」と「振り返りの場づくり」を重視しています。病棟では今、次の3つの目標を掲げています。

① 急性期看護に必要な知識・技術を高め、安全で質の高い看護を提供する
② 他職種と協働し業務の標準化と効率化を図る
③ 互いに支え合い組織全体を意識して行動する

 この目標を達成するため、委員会やグループごとに役割を決め、あとは自主性に任せています。特に、「互いに支え合う」ために、定期的な振り返りや面談を行っています。新人の方は、業務量の多さや、「先輩のように動けない」という不安を抱えがちですが、面談や振り返りを行うことで、課題に気づき、成長しているポイントを伝えることで、不安を取り除けるよう心掛けています。
 



―患者さんにとって良い看護とは何でしょうか 

 同じ病気でも、患者さんによって受け止め方は全く違います。身体だけでなく、仕事、家族、今後の生活の不安など、背景は様々です。それらを含めて患者さんやご家族を支えていくことが看護だと思っています。

 

―どんな経験からそうした看護観ができましたか

 
私は3年前に母を大腸がんで亡くしました。長い闘病の末、在宅で看取ることができました。母の思いを汲み取り、その人らしく過ごせるように支えるという経験は、看護師として積み重ねてきたものがあったからこそできたことだと思います。また、主治医、看護師、ソーシャルワーカーなど多くの方に優しく寄り添って支えていただきました。その経験を、今度は患者さんやご家族に返していきたいと感じています。

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