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009 薬剤師

治療の主役「薬」の現場(4)


取 材:2026/4月

―簡単にご経歴を教えてください
 

大学を卒業し、薬剤師国家試験を経て当院に入職しました。現在は2年目になります。この1年間、病院薬剤師としての基礎を学びながら、現在は主にセントラル業務(医薬品を中央で一括して管理、調剤、払出する業務)に携わっています。

 

―当院を選んだ理由を教えてください 
 

大学時代にオンラインの就職説明会に参加したことがきっかけです。多くの病院の中でも特に雰囲気が明るくて、丁寧に教えてもらえそうだと感じました。実際に入職した後も、先輩方が気さくに話しかけてくれたので、すぐに職場の雰囲気になじむことができました。
 


―どんなステップで仕事を覚えていくのですか
 

基本的にはマニュアルに従い、先輩から実務を通じた指導を受けます。最初は調剤室内の薬の配置や、処方箋がどのような流れで病棟へ上がるのかといった全体の把握からスタートしました。その後、薬を棚から取り揃えるピッキングや、調剤業務へと進んでいきます。たとえば、粉薬の調剤では誤差がないよう全量を正確に計測し、あとは「自動分包機」が正確に分包しますので、その操作を覚えます。また、注射剤は「アンプルピッカー」という自動払い出し機を活用しています。電子カルテのオーダーを読み取って自動で揃えてくれるため、人間は漏れがないかの確認や、大きな輸液バッグの取り揃え、そして最終的な監査を行います。
 


-無菌調製も担当されているそうですね
 

はい。主に抗がん剤などのミキシングを行っています。患者さん一人ひとりの体重や体表面積に合わせたレジメンに基づき、必要量を採取してバッグに詰める業務です。特に気を使うのが「陰圧操作」です。バイアル内を常に陰圧に保ちながら薬液を吸い出すことで、外に飛散して自分たちが被曝するリスクを防ぎます。最初は非常に緊張しましたが、先輩の指導のもと、まずは安全な薬液を使って練習を重ね、着実に身につけていきました。

 

-入職1年目で特に苦労したことは何ですか
 

国家試験では医薬品を「成分名(一般名)」で覚えますが、現場では「商品名」が主流です。当院で採用されている約2,000種類の薬を、名前と配置場所まで一致させるのには苦労しました。また、小児の用量は体重や年齢によって算出しますので、最初は時間がかかり大変でした。
 



-困ったとき、先輩はサポートしてくれましたか
 

わからないことがあると、業務の合間に丁寧に教えていただけます。私がミスをしてしまった時も、ただ指摘するだけでなく、前向きなアドバイスもくださるので、配慮を感じますね。

 

―どんな所に仕事のやりがいや満足感がありますか
 

まだ病棟での服薬指導など、患者さんと直接会話する機会は多くありません。しかし、カルテを通じて、自分が調剤に関わった患者さんの経過が良くなっているのを確認できると、大きなやりがいを感じます。自分の知識不足を痛感することもありますが、それ以上に「もっと知識を身につけなければならない」という使命感の方が大きくなっています。
 



-今後、挑戦したい資格や目標はありますか
 

「医療情報技師」の資格取得に興味があります。現在は薬品マスターの作成など、電子カルテに関連する業務にも携わっています。今後、情報の管理や検索システムを自分たちの手でより使いやすく構築できれば、チーム全体の効率化に貢献できると考えています。現場のニーズに即した仕組みを自ら提案・構築できる薬剤師を目指したいです。
 



-興味のある専門分野はありますか
 

「緩和ケア」に関心を持っています。薬剤師として鎮痛剤のコントロールを適切に行い、患者さんの苦痛を少しでも和らげる一助になりたい。私の原点は「自分が助けられる人の範囲を広げたい」という想いにあります。知識を深めることで、より多くの患者さんに手を差し伸べられるようになりたいのです。

 

―先輩すごいなって思うことはありますか
 

患者さんの持参薬が当院で非採用の場合がありますが、先輩が豊富な知識を活かして医師に代替薬を提案している姿を見ると、非常に勉強になります。自分も早く成長して先輩に追いつきたいって、尊敬しています。私も後輩に寄り添いながら、しっかりとした知識と根拠をもって指導できるような先輩になりたいです。


―病院勤務の薬剤師の道を選んで良かったですか
 

調剤薬局との大きな違いは、カルテで全経過を追えることです。なぜこの薬が選ばれたのか、なぜ増量されたのかという治療の背景を学べるのは、病院ならではの魅力です。また、医師や看護師の質問に的確に答えられる先輩方の姿には日々刺激を受けています。幅広い疾患や治療に触れられる環境は、薬剤師として非常に恵まれていると思います。

 

―就活中の学生さんにメッセージをお願いします
 

 病院は多くの職種が関わる場であり、やりがいを感じる機会が非常に多い職場です。私自身、病院薬剤師という道を選んで本当に良かったと感じています。当院は雰囲気も良く、学ぶ意欲を尊重してくれる環境です。ぜひ一度見学に来て、自分の目でその空気感を感じてみてください。

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