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003 臨床検査技師 


高度医療を支える検査の現場(3)

取材:2026/3月
 

-現在携わっている業務について教えてください
 

 現在、私が担当している病理検査では、「組織検査」、「細胞診検査」、「病理解剖」などの業務を行っています。年間8千件近くの病理検査があるのですが、その中でも組織検査では、患者さんから採取された組織検体から病理医が顕微鏡で見るための標本を作製する仕事をしています。ミクロン単位で組織を薄く切ったり、様々な方法で染色を行ったりと、病理医が的確に診断できる良い標本を作るには、高度な技術が要求されるんです。ほかにも、細胞診検査は年間4千件弱あって、こちらは私たち検査技師3人で鏡検し、指導医と共に報告書を作成しています。


 

-病理の技師さんは資格取得でステップアップしていくお仕事ですか
 

 たとえば、細胞診検査においては細胞検査士という認定資格がないと、まず細胞診標本を鏡検し報告書を作成することができません。そして悪性を疑う症例や悪性症例は、指導医と一緒に判断してレポートとして主治医に報告しています。私は、認定病理検査技師の資格も取得することができ、以前よりもかなり知識や技術を習得できたと思います。そういう勉強をしてきたことによって、今まであまり気にしていなかったことも、「そこも大事だったんだ」って気づけたところもあるし、劇物毒物に関しての知識も増えて、どういう処理をしなきゃいけないかも勉強しました。それに、5年に1回更新があるので、継続してやっていかないと資格が維持できないんですよ。なので、新たな知識や技術の習得のためにも勉強会とか講習会に出なきゃいけないですし、それらに参加することで得られる点数がそれぞれ決まっているので、資格更新に必要な点数も取っていかなければいけないのです。


 

-若い頃できなかった仕事で、今だからこそできる仕事はありますか
 

 今だからこそできる仕事というと、たとえば術中迅速病理診断では、手術中に提出された検体を使ってすぐに病理組織標本を作ったり、細胞診標本を作って迅速に判断し臨床医に報告できたりするようになったことですね。
 

-市立病院に転職されてスキルアップできたことはありますか?
 

 こちらの病院は3か所目で、ずっと病理検査をやってるんですけど、認定資格も取って知識も深くなったし、全体的に仕事の流れっていうのもわかるようになりました。若い頃はそういうことは分かってなくて、仕事をこなすことで精一杯だったんですけど、だんだん周りが見えてきて、どういうところで失敗しやすいのかとか、どういうところに気をつけたらうまくいくのかが把握できるようになりました。また次はどういう風に仕事を行ったらいいか、次の仕事にどうつなげていけば上手く合わせられるかというのも分かってきたと思います。


 

-主査に就任されてお仕事は変わりましたか
 

 主査になったので、病理検査室をまとめる仕事もしています。毎日、仕事の割り振りを考え、誰が何をするかを決めています。これまでは自分の仕事をこなしてればいいというような考えが多くありました。ですが、今は1 日でどれくらいの仕事があって、どのくらいの時間までに誰がどのように動いてないといけないなど、様々なことを把握して病理検査室全体の仕事をまわさなきゃいけないという考えになりました。1日の仕事を割り振るときも、大変になりすぎてる人や検体が多いセクションを助けたり、逆に手が空いている人には手伝ってもらったりなど、ちゃんと業務が円滑に回るように考えるようになりました。


 

-働く女性として病院の環境には満足されていますか
 

 ワークライフバランスがとれるよう、ハード的にもソフト的にもバックアップがしっかりしていることがこの病院の魅力の一つです。産休・育休・育児短時間勤務をとる際にも、周囲のスタッフのサポートが常にあり、安心して子育てに臨むことができました。時短勤務でちょっと短くしてもらっている分、他の人に頑張ってもらっているっていうところもあるので、忙しい時とかは「申し訳ないな」って思うんですけど、時間近くになったら帰してもらえるので、本当に助けられています。
 

-若手技師をどのように育てていますか
 

 若手に接するときは、やっぱりコミュニケーションが常に取れるように、聞きやすいとか、こちらもわからないことがあったら聞いたりできるような関係を築いていきたいと思っています。お互いに質問したりされたりという、一方向的じゃない関係がいいのかなって思います。


 

-今後の目標を聞かせてください
 

 今後の目標は、まず後輩の育成ですね。認定資格とかを後輩にも取ってもらえるように教えていきたいですし、学会発表もしてもらえるようにサポートしていきたいです。学会発表を行うには、技術面・時間面・心理面でのサポートが必要ですが、いずれに対してもしっかりサポートして、安心して準備に臨んでもらえる環境にしていきたいですね。
 自分も以前は学会発表を結構していて、今は子育てとかでお休みしてるんですけど、もう少し落ち着いたらまた学会発表したいなって考えています。たとえば、色々症例を集めて検討を重ねたものを日本臨床細胞学会で発表したいという目標を持っています。

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