ここからメインメニュー

メインメニューここまで

ここから本文です。

現在位置

018 放射線技術科技師長

高度機器で医療に貢献する「放射線医学」の現場(1)

取 材:2026/7月
 

―ご経歴を簡単に教えてください
 

 2006年に苫小牧市立病院に就職して、20年たちました。これまでおもに一般撮影や放射線治療の仕事に携わってきました。2024年4月から放射線技術科副技師長、2026年4月から放射線技術科技師長を拝命し、現在に至ります。
 放射線技術科では、レントゲン、CT、MRI、核医学検査、血管造影等、さまざまな検査装置を運用しています。特に、当院は常勤の放射線診断医が在籍しているので、撮影法から病気の理解に至るまで様々な助言を頂きながら日々業務にあたり、研鑽を積んでいます。

 
―放射線治療について教えてください
 

 ざっくり言いますと、放射線診断は病気を見つける仕事で、放射線治療は病気をやっつける仕事です。そのため、放射線治療は診断で使用する放射線量の何万倍もの線量を使用して、がん細胞に放射線を集中させて照射します。しかし、照射している最中は痛くも熱くもなりません。また、狙った場所だけを治療するので、放射線が当たった場所以外の副作用はありません。さらに、手術のように体を切らないので、他の病気や体力低下で手術を受けられない場合でも、放射線治療なら受けられることが多いです。
 それから、がんを徹底的にたたく根治照射の最大のメリットとして、手術と異なり、体の機能や形態の温存が可能であることがあげられます。抗がん剤併用の根治照射法の中には、手術と同等の成績を上げているものもあることから、がん治療の選択肢を増やすことができます。他にも、疼痛の緩和や、病変の増大抑制を目的として緩和照射を行うことも数多くあります。このように、根治的治療から、術後再発防止、緩和治療に至るまで、いろいろな場面で放射線治療は用いられています。
 


―そこで技師はどんな役割を担っていますか
 

 まず、放射線を照射する患者さんを毎回正確に同じ体位にポジショニングする、放射線治療医が計画した通り、正確な量の放射線を、決められた回数を照射する、計画された放射線量が正しいかどうかを放射線測定器で検証する、放射線治療装置の品質管理を毎日、毎週、毎月、半年ごと、1年ごとに行って、装置が正しく使用可能な状態にあるかをチェックする、治療計画用のCT撮影する、こういった業務に日々従事しています。
 

―今までどんな勉強をしてこられましたか
 

 知識面では物理的な内容が多いですね。教科書的というよりは専門領域の知識が必要です。放射線治療計画ガイドラインは4年ごとに改定されますし、測定のガイドラインである標準計測法も改定がありますので、それらは日々学ぶ必要があります。放射線治療専門放射線技師として、そうした知識をもとに、医師が作成した放射線治療計画を検証し日々照射業務を行っています。また、患者さんにとって一番寝やすく治療計画も立てやすい寝方についても日々検討を重ねています。私が若手だった時代はあまり勉強会もなく、年一回の研究会で道内の技師さんと交流しながら知識を得ていました。現在はインターネットを利用した勉強会、講習会も多く、苫小牧にいながら最先端の知識を学ぶことが出来ます。

 
―技術が進歩しても変わらない部分はありますか
 

 当院に導入されている放射線治療装置は本体の診断用X線で照射位置を照合できる当時としては最先端の装置でした。当時学んだ重要な教訓があります。IGRT画像誘導放射線治療の導入当初、その先端技術が搭載されているにもかかわらず、放射線治療医から「最初は使わないように」と指示されました。その真意は、「伝統的な照射方法や、皮膚マークから位置を合わせて1枚ずつ撮影・照合し位置ずれを補正しながら照射するクラシカルな手法をしっかりと学んだ上で、最新技術を使用すべきだ」という点にありました。万が一、照合装置が故障して使用できない場面で、基本に立ち返った対応ができなければ、その日に照射が出来なくなってしまい患者さんに不利益を与えてしまいます。このときに放射線治療の基礎を学べたことは、私にとって非常に大きな意味がありました。照合の大切さを忘れないように、現在も常に心掛けています。
 また、同じ先生から、「2 Gy(グレイ)という放射線量を患者に照射することに恐怖はないか?」と質問されたことを今でも覚えています。この言葉は、診断領域の何万倍もの線量を扱うことの重みを常に意識し、毎回の照合を徹底して、正確な線量を投与すべし、という放射線技師への強い戒めであったのだなと記憶しています。
 


―印象に残っているお仕事はありますか
 

 沢山の患者さんにお会いして治療してきましたが、とりわけ脊椎転移による脊髄圧迫症状が出てしまい緊急照射を行った患者さんのことを、印象深く記憶しております。もちろん、通常の照射同様に照合から始めるのですが、緊急照射は時間との戦いでもあります。少しでも早く治療を開始し、症状が改善されることを期待していたところ、数回の治療のあと、最初はベッド移送だった患者さんが、自力で座位が取れるまでに症状が緩和され、「もう天井しか見れない生活が続くと思っていたけど、座れるようになったわ。」とお話しされていたことが印象に残っています。緊急依頼当日に放射線治療医、看護師と協力しながらの準備で照射前は目まぐるしい対応でしたが、治療効果が出て症状が緩和できたことが、放射線治療に携わる者として大きな意義を実感した出来事でした。


―いま取り組んでいることはありますか
 

 2024年に管理職になって、組織の見える化に着手しました。それまでは、なんとなく担当者や責任者が決まっているというイメージで業務をしていました。それを改め、各自役職も意識しつつ、装置毎に責任者担当者を配置し、責任の所在を明確化しました。また、当科は夜勤や待機勤務もあります。そこで、月間勤務表も“可能な限り”2~3か月単位で公表するように改めました。各スタッフが予定を立てやすいように、管理職として気を配っています。また、救急症例やSTAT画像報告の勉強会などの科内研修を積極的に企画して、情報共有の基盤づくりを進めています。
 


―若手に大切にして欲しいことはありますか
 

 医療現場では患者さんの他、様々な医療職、事務職、メーカーの方など、多様な職種の方と接します。もちろん学力は大切ですが、入職後に仕事の中で学ぶことが多いので、入職時点で勉強ができるかどうかよりも、誠実さや思いやり、学びの姿勢等が重要です。放射線技術が必要な場面だけでなく、いろいろな場面で、そういった人としての姿勢がより重要になると思います。
 当院にはX線撮影、CT、MRI、核医学検査、血管造影、放射線治療など、総合病院として一通りの装置が揃っています。したがって、皆さん多くの装置について学ぶことができるでしょう。もちろん、最初から希望通りに配属されるわけではありませんが、個々の適性を見極めながら配置変更しています。また、若手の成長を後押しするため、積極的に研修会や学会参加、専門資格取得を奨励しています。当院で働いてみたいという学ぶ意欲にあふれる方々を心からお待ちしております。

本文ここまで

ここからサブメニュー

職員インタビュー

サブメニューここまで

  • 前のページに戻る
  • ページの先頭へ戻る

ここからフッターメニュー

フッターメニューの文章は、読み上げされません