平成20年度4次隊 中国 日本語教師 今泉智子さん
4. 「中国のお正月‘春節’」
(2010年2月28日)
こちら中国でもやっと新年になりました。中国ではほとんどの祝日は旧暦に基づいており、もちろん正月も旧暦の旧正月を祝います。お正月は「春節(ちゅんじえ)」と呼ばれています。今年の春節は2月14日、バレンタインデー(情人節)と同じ日でした。「过年(年越し)」は、中国人の友人の家で過ごさせてもらい、初めて中国の春節を体験したので、今回は中国の春節の様子について少し紹介したいと思います。
お正月の飾り
日本でも年末には大掃除をしますが、中国でも同じように家をきれいに掃除して、玄関には「春?」という飾りを飾ります。日本の門松やしめ飾りのようなものですが、これは一年中貼りっぱなしにして、毎年春節に新しく張り替えます。

※?→联
真ん中には「福」の字を貼ります。良く見ると逆さになっています。中国語の「到(だお)」には「逆さ」という意味と「来る・到着する」という意味があるので、福の字を逆さにする(到)ことで、福が来る(到)ように、という意味です。私は中国の切り絵が好きなので、虎年の切り絵を買って自分の家のドアに貼りました。

团圆饭(一家団欒の食事)
「除夕(大晦日)」の夜は家族みんなが集まって、团圆饭(一家団欒の食事)を食べます。一般的には餃子も食べ、特に北の地方では「餃子を食べないと年を越せない」位に重要な習慣のようですが、もともと中国の北方は小麦文化、南方は米文化のため、南では普段からそれほど餃子を食べません。春節の餃子も必ず食べなければならないわけではないようです。貴州省は南方なので、私の友達の家でも餃子は食べませんでした。

料理は魚、肉料理、日持ちのするベーコンなどが多かったです。もちろんお酒も飲みます。最近ではビールも良く飲まれていますが、中国の一般的なお酒は「白酒」です。アルコール度数は大抵38度位です。中国の「干杯(ガンベイ・乾杯)」は飲み干さなければならないので、普通小さいグラスを一口で飲み干します。また、貴州省は中国の“国酒”である「茅台酒(マオタイ酒)」の産地として有名です。この茅台酒は値段も高いのですが、アルコール度数も53度と高く、「飲んでも二日酔いしない」と言われていますが、さすがにたくさん飲まされると大変です…。
鞭炮(爆竹)
中国のお正月といえば爆竹。年越し前後は至る所で爆竹が鳴るので、いつもびっくりしながら歩いていました。特に年越しのカウントダウンの時間には、花火と爆竹で家の中にいても相手の話が聞こえないくらいでした。

春晩と麻雀
大晦日の夜には「春节晩会」というテレビ番組が放送されます。日本でいえば紅白歌合戦のようなものですが、歌や踊りだけではなく、コメディーなど色々な出し物があり、家族で見ながら年を越します。 そして何よりも時間をかけたのが「麻雀」です。中国人は本当に麻雀が大好きで普段からよくやります。春節は家族や親戚が集まり、みんなで家族麻雀をしていました。ご飯を食べた後6時頃から始まり、毎日夜の2、3時までずっと続けていました。私はほとんどやったことがなかったので、最初はみんながやるのをずっと見ていました。途中から時々教えてもらいながら参加しましたが、負けてしまいました。

中国のお正月と日本のお正月は異なる習慣も似ている習慣も両方あります。でも家族が集まって楽しく年を越すのは、世界共通だなぁと感じました。