平成20年度4次隊 中国 日本語教師 今泉智子さん
13.「日本人の知らない中華料理」
(2011年2月24日)
帰国目前!
2年間の派遣期間もあっという間に過ぎ、とうとう来月帰国となりました。日本に帰るのが楽しみなのが半分、大好きな生徒達や友達との別れに寂しさが半分、という感じです。帰国して日本の食べ物が食べられるのも楽しみですが、中国の安くておいしいものや、みんなで円卓を囲んで食べる中華料理が食べられなくなるのも実は少し寂しいです。今回は、私の2年間の活動の源、日本にはない“中華料理"について紹介したいと思います。
中華料理と言えば?
中華料理と言えば「麻婆豆腐」「チンジャオロース」「餃子」「チャーハン」などなど、日本でも一般的なメニューがたくさんありますが、これらは日本人の口に合うように改良された「日本的中華料理」、本場の中華はちょっと違います。そもそも国土の広い中国、一言に「中華料理」と言っても、地方によって料理も違います。東北料理はあっさりめの味付け、四川料理や湖南料理は辛いことで有名です。広東料理もあっさり甘めの味付けで、外国にある中華料理店は広東料理が多いそうです。

貴州料理
私の任地、貴州省は四川、湖南に並ぶ「激辛」地域です。現地の人曰く、「貴州は雨が多くて高湿気候だから、トウガラシをたくさん食べるんだ」そうです。私も初めは辛すぎて食べられないものもありましたが、今では自らトウガラシを足すようになり、料理によっては「辛くないとおいしくない」と思うほどになりました。
何人かで食事に行く時、半分以上の確率で鍋料理になります。中国語では「火鍋」と言い、冬に限らず夏でも一年中食べます。辛くない鍋料理もありますが、やっぱり辛い方が人気で、もともと真っ赤な鍋に、各自取り皿で更にトウガラシ入りの薬味をつけて食べます。

2種類の鍋を一度に食べられる仕切りのある鍋もよく登場します。
ちなみに手前にあるのは「豚の脳」!

串にささった具を食べたいだけ選び、最後に串の数でお会計をするタイプのもの。
また、貴州独特の食べ物に、「折耳根」があります。一体何なのかと言うと、「どくだみ」の根です。どくだみなので、薬っぽいにおいがして、省外から来た学生のほとんどが苦手としています。私も最初の1年は全くダメでしたが、最近やみつき(?)になり、進んで食べるようになりました。生のまま、調味料であえて食べたり、鍋料理の薬味に入っていたりします。「貴州人はこれを食べるから病気が少ない」というのを何度か聞いたことがあります。本当かどうかわかりませんが、体にいいことは間違いなと思います。

現地人にとっては「これがあればご飯2杯いける!」的存在のドクダミ。
「粉」?
街を歩いていると至る所に「粉」という看板が目に入ります。「粉」というのは中国語では小麦粉のことではなく、米で作った白い麺のことです。北方では小麦粉で作った麺をよく食べますが、南方ではこの「粉」が良く食べられます。牛肉をのせた「牛肉粉」が貴陽の名物です。「粉」にも細粉、太粉、薄くて平べったいタイプ、牛肉ではなく羊肉をのせたものなど色々あり、省内の地方によっても異なります。お昼や夜食、ちょっとおなかがすいた時など、普段の食生活に欠かせない「小吃(=軽食)」のーつです。