■所在地:苫小牧市字樽前国有林
■所有者:国
■管理者:苫小牧市教育委員会
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▲外輪から見た樽前山熔岩円頂丘(写真提供:苫小牧写真連盟 只野祐一)
※熔岩円頂丘の周囲は、火山性ガスが大量に発生しているため立入禁止となっていますが、外輪山までは登ることができます。
樽前山とは
▲樽前山遠景(写真提供:苫小牧写真連盟 只野祐一)
樽前山は苫小牧市市街地の北西約20kmに位置し、標高1,041mの現在も活動を続けている火山で、市のシンボルとして市民に親しまれている山です。
近年、樽前山は少量の火山灰の噴出とともに、火山性の微動が続いています。気象庁と火山予知連絡会は、日本の活火山111山(平成29年6月現在)の中でAランクの活火山に認定して警戒を強めている状況となっています。
噴火の経緯
▲1874(明治7)年の噴火の様子「胆振国勇払郡樽前岳燌火之図」(北海道大学蔵)
樽前山の噴火活動は、歴史が記録される以前から数えると10回ほど繰り返していますが、代表的な大きな噴火は約9,000年前、2,500年前、寛文7(1667)年、元文4(1739)年の4回となっており、地層からもその噴火の大きさを確認することができます。
熔岩円頂丘生成
▲1909(明治42)年の噴火の様子「樽前山噴火之景」(北海道大学蔵)
「熔岩円頂丘」は、直径1,200mの火口中央の火口丘に、粘性の強いマグマが流出し、盛り上がって出来たもので、これまで2回生成されています。最初は、慶応3(1867)年に生成され、明治7(1874)年の噴火で崩壊されています。2回目は現在、山頂部に見えているものですが、明治42(1909)年4月17日から19日にかけて、山頂が雲に覆われていた間に生成されてものです。
当時は直径450m、体積2,000万㎥のドーム状でしたが、その後、雨や風などの影響で崩落し、山頂部は平坦化して盃を伏せたような形になっています。
世界的に例を見ない貴重な天然記念物
北海道には既に同様の天然記念物として、有珠郡壮瞥町の「昭和新山」が指定されていますが、ほとんど固くなった熔岩が押し上げられた同山の熔岩円頂丘と比べ、この樽前山熔岩円頂丘はその生成や火山形態が違うことから、今世紀に生成されたものとして学術上、そして世界的にも貴重なものとなっています。
そのため、1967(昭和42)年3月17日に北海道の指定文化財となっています。
▲樽前山遠景(写真提供:苫小牧写真連盟 只野祐一)
活火山とは
しかし、火山の活動の寿命は長く、数百年程度の休止期間はほんのつかの間の眠りでしかないことから、噴火記録のある火山や今後噴火する可能性がある火山を全て「活火山」と分類する考え方が1950年代から国際的に広まり、1960年代からは気象庁も噴火の記録のある火山をすべて「活火山」と呼ぶことにしました。
(国土交通省気象庁 Webサイトより引用)
アクセスマップ
苫小牧市字樽前国有林※熔岩円頂丘の周囲は、火山性ガスが大量にでているため立入禁止となっていますが、外輪山までは登ることができます。