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青年海外協力隊の声~平成29年5月 小越さん~

 こんにちは。グアテマラに派遣中の小越剛です。

 今回は、以前お伝えした三つの活動(①ゴミのリサイクル回収システムの構築、 ②学校での環境教育の実施、③シハの丘を利用したエコツーリズムの実施)のうち、②学校での環境教育についてお話しようと思います。
 

ゴミを道に捨てることは習慣

 赴任当初、「なんでこんなにゴミだらけなんだ」とまったく理解できませんでした。ですが、この街に少しずつ慣れてると共に、少しずつ原因が理解できるようになってきました。

 誰がゴミを捨てるという訳ではありません。全員が全員ゴミをその辺に捨てます。あたり構わず捨てます。アイスを食べたらアイスの棒は食べ終わった場所に捨てられます。アメをなめたら、袋はアメを舐め始めた場所に捨てられます。子供だけじゃありません。老若男女全ての人がそこら中にゴミを捨てます。ゴミ箱がすぐ近くにあっても、ゴミ箱には捨てず、その場所に捨てます。市内中心部はゴミを掃除する職員が居るので、午前中は一見綺麗に見えます。ですが午後になると人々が捨てたゴミで、そこら中ゴミだらけになります。

    道端がゴミだらけ           川もゴミだらけ

 ゴミを捨てる事は、この地域の人々の習慣であり、ゴミを捨てる事に対して後ろめたい気持ちを持つ人は全くいません。大人が捨てるから、それを見て子供も捨てる。市内だけでなく、バスの中、山の中、畑の中、至る所でゴミを捨てます。
 この状況を改善するにはどうしたら良いのか考えました。モラルの問題であり、習慣の問題です。簡単に変えられるとは到底思えなかったのですが、それでも大人の習慣を変えるよりは、子供達に教えることで次世代に伝えていってほしいという思いもあり、2016年から市内の小・中学校で環境教育の授業を開始しました。
 

グアテマラの学校

 グアテマラの学校は、1月に始業し12月で1年を終えます。1月は生徒が全く集まらないので、始まるのは実質2月からになります。また11.12月は長期休暇となるので、実質授業が出来るのは2~10月となります。その間にも毎週のように何かしらのイベントがあったり、中休みがあったりで授業ができません。最初の年は思うように授業ができず、相当イライラしました。

  授業風景(ホワイトボードが基本)      リサイクル教室

 基本的に学校の年次は日本と同じで、小学校=6年間、中学校=3年間、高校=3年間、大学=4年間です。高校から専門学校に進む生徒が多く、専門学校は4年間です。大学は、国立大学がグアテマラには1校しかないので(キャンパスは10か所近くある)、夜間、土日に大学に通う生徒も多く、彼らは卒業まで6年かかるそうです。小学校は午前中のみの授業。中学校は午後のみの授業が基本です。ですので、平日の昼間でも街中には子供達がたくさんいます。

    新聞で折り紙教室    PCを使った授業(停電でプロジェクターを
                  使用することができなかった)

 一つの環境物語をつくりました
 

授業の進め方

 授業をどのように進めるか、最初の年は探り探り始めたのですが、いきなり「ゴミを捨てたらだめだ」と言うのではなく、感覚的・直感的に理解できるように、頭で理解するだけでなく、体感できるような授業を先生方と相談しながら授業を作りました。

 同時にもう一つどうしても許せない事がありました。それが、私に向って住民が「チーノ(中国人)」と呼ぶ事です。彼らには悪気はありません。ただ、日本は中国の一部だと思っているから、みんなが私に向ってチーノと言ってきます。これがどうしても許せなかったので、最初の方の授業は「世界について」授業しました。環境教育の基礎は、地球の自然環境を知る事と思っているので、世界の事を教えることは、環境教育を教えるうえでも必須だと思っていました。
 一方的に教えるのではなく、生徒を巻き込む授業・生徒に考えさせる授業を2016年、2017年で12校・1,000人以上に実施しました。地球環境に始まり、自然環境、自然災害、温暖化、ゴミ問題とみんなで考えました。その結果、最後にゴミの分別を実施したのですが、ほとんどの生徒がゴミ分別を出来るようになりました。またふざけて「チーノ」と呼ぶ生徒も居るものの、ほとんどの生徒が「ハポネス(日本人)」と呼んでくれるようになりました。

   馬跳びを皆で試すも難しい        卒業式風景

 最終的には「ごみを捨てる親を子供が注意する」環境が作ればと思っていましたが、そこまでは難しかったかもしれません。でも私の授業を受けた生徒たちが、この街全体の悪い習慣を変えていってほしいと願っています。

 次回はゴミの分別回収についての話になります。この分別回収を実施する為にも、環境教育を徹底する必要がありました。

 

お問い合わせ

総合政策部未来創造戦略室
電話:0144-32-6229、0144-32-6157,0144-32-6062
フォームからのお問い合わせ(リンク)

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