下水道用語について
下水道でよく使われる用語の解説です。
ア行
一次処理
下水道中の固形物や油等を、物理的に沈殿または浮上させ、分離除去を行う処理をいう
一般的に処理場では最初沈殿池でこの処理を行う
雨水
降る雨の水、雨が降ってたまった水
雨水吐室
合流式下水道において、雨天時にある一定以上の下水を分水し、直接、河川等の水域に放流するためにせき等を用いた施設
雨天時越流水
合流式下水道は一定の合流下水(晴天時汚水量の3倍程度)は処理場へ送られて処理させるが、雨の量が増え、合流下水がそれ以上になると、雨水吐から公共用水域へ放流される
SS(浮遊物質)
水中に浮遊する粒径2mm以下の不溶解性物質の総称
汚水
汚濁した水、家庭・工場などで使用して汚れた水
汚泥
水中の浮遊物質が重量や生物の作用あるいは凝集剤の作用によって沈殿、堆積し泥状になったもの
汚泥消化槽
嫌気性または好気性細菌や微生物の働きによって、汚泥中の有機物を分解して無機化するためのタンク
汚泥処理
汚泥を濃縮・消化・洗浄・脱水・焼却したり薬剤添加することにより、汚泥量を減少・安定化・無害化させること
脱水汚泥
汚泥中の水分を除去すること
これにより容積を減少させ、汚泥の処理及び処分を容易にするために行う
汚泥濃縮槽
液状で引き抜かれた汚泥中の含水率を下げ、体積を減少させるためのタンク
カ行
活性汚泥
下水に空気を吹き込むことで生成される多数の好気性微生物を含むゼラチン状のフロックからなる生物性汚泥
活性汚泥は有機物の吸着能力や酸化能力にすぐれていて、また、沈降性もきわめて高い
環境基準
人の健康を保護したり生活環境を保全する目的で、国や地方公共団体が公害防止対策を推進するために設定する、望ましい環境の質のレベル
水質では河川・湖沼・海域において、利用目的に適した水質類型をAA.A.B.C等で表し、その達成期間をイ.ロ.ハで表している
管内貯留ぜき
管路内にせき等を用いて、管路内空間に下水を一時的に貯めるための管渠
きょう雑物
汚水に含まれる汚いゴミ
下水処理場(終末処理場)
下水を最終的に処理して、河川や公共の水域または海域に放流するために、下水道の施設として設けられる処理施設と、これを補完する施設
処理場からの放流水は水質汚濁法により排水基準の適用を受ける
下水道処理人口普及率
下水道処理人口普及率=下水処理区域内人口(公表済み人口)÷行政人口×100 行政人口の内下水道が整備された人口の割合
公共下水道
主として市街地の雨水の排除または汚水処理をするために、自治体が管理する下水道
公設ます
道路に埋設された下水管と家庭や事業所等に設置された排水設備を接続し、下水管へ汚水・雨水を排出するためのます
公共ますより下水管側の管理は市となる
合流下水
汚水と雨水が混ざり合った下水
合流式下水道
汚水と雨水を同じ管(1本)で収集する方式
早くから下水道事業に取り組んできた都市にみられるが、公衆衛生上の問題点から分流式が主流となっている
コンポスト
脱水ケーキ単独または粗大有機物を混合して、好気性発酵させたもの。有機物がある程度分解し、その発酵熱によって病原菌の死滅、雑草種子の不活性化が期待できるとともに、水分も減少する
窒素、りん等の肥料分も含まれており、有機肥料あるいは土壌改良材として使用できる
サ行
最終沈殿池(終沈)
反応タンク等からの流出水を沈殿させて処理水と汚泥を分離するための池
最初沈殿池(初沈)
活性汚泥法等の処理に先立って、下水中の浮遊物をできるだけ除去して、以後の処理施設の負荷を軽減させるため、沈殿池、スクリーンを経た沈殿可能物質を沈殿分離するための池
COD(化学的酸素要求量)
水中の酸化されやすい有機物が過マンガン酸カリウムによって酸化されるのに要する酸素量をmg/リットルであらわしたもので、水質汚濁の重要な指標の一つ
私設ます
家庭などの汚水・雨水を公共ますへ流すために、個人で設置・管理するます
遮集管
雨天時に、処理場で処理すべき汚水と雨水が混ざりあった合流下水を、処理場へ送るための合流管
除害施設
人の健康を害するおそれのあるもの、または生活環境に対して害をもたらすおそれのあるものを含んだ下水や公共下水道施設の機能を損傷させるおそれのある下水を排除して、基準以下の水質にするように設置する施設
処理区
予定処理区を処理場の系統別に分割したもの
スクリーン
下水中の浮遊性のきょう雑物を除去するためのもので、放流水域の汚濁防止、ポンプ等の保護及び処理過程を円滑にするために設置するもの
堰(せき)
水路の流水をせき上げて、その上を越流させるための総称
タ行
脱水汚泥
固形物として扱うことができるまで脱水された汚泥(脱水ケーキともいう)
通常、含水率85%以下
ディスポーザー
家庭の排水設備に設置する生ゴミ粉砕処理機
なお、苫小牧市では「単体」での設置は認めていない
特定施設
水の水質の規制が必要な施設として法令によって特別に指定された施設
特定事業場
特定施設を設置している工場や事業場
トラップ
排水設備の配管の中に設けられ下水道の悪臭や害虫等が屋内へ侵入するのを防ぐ器具や装置、または構造
取付管
各家庭の敷地内の排水設備と、道路に埋設した下水道本管とをつなぐ管で、市が管理する施設
ナ行
認可区域
まちの市街化の拡大にあわせながら、段階的に整備し拡大する際に国(道)から認められた区域
ハ行
排水設備
家庭や事業所等の敷地に設ける排水管やます等の個人が所有・管理している施設
排水槽
建築物から排除される汚水または雑排水を集め、これをポンプにより汲み上げ排除するために貯留する槽
吐口
下水道施設から処理水や雨水を公共用水域に放流する放流口の施設
反応タンク
活性汚泥法で下水と活性汚泥の混合液に対し必要な酸素の供給と混合を行い、混合液を空気に接触させるタンク
BOD(生物化学的酸素要求量)
水中の分解可能性有機物質(汚れ)を生物(細菌)化学的に分解(食べる)安定化するために必要な酸素量をmg/リットルであらわしたもので、水質汚濁の重要な指標の一つ
分流式下水道
汚水と雨水を別々の管(2本)でそれぞれ収集する方式
現在下水道の整備手法としては、この方式が主流
ポンプ所
下水が自然に流れない場所や大規模なポンプ場が設けられない場合などにもちいられるマンホール内のポンプ施設
ポンプ場
下水は処理場あるいは吐口まで自然に流れるのが原則であるが、管渠が深くなりすぎたり、放流先の水位が高く自然に流れない場合に、ポンプで汲み上げるために設ける施設
マ行
マンホール
下水管渠の清掃・換気・点検・検査等を目的として設けられる施設
一般に下水道管渠が合流する箇所や、勾配・管径の変化する箇所ならびに維持管理上必要な箇所に設ける