「中庭展示-Court Installation-」は、当館の中庭スペースにおいて、その空間を活用した作品を個展形式により紹介するシリーズ企画です。第5回目となる今回は、素材の特性を活かした作風を展開している彫刻家・藤井忠行(ふじい・ただゆき/1943~)のインスタレーションを紹介します。
旭川出身の藤井忠行は、現在、鷹栖町の山林を拠点に、そこに豊富に存在する木を主な素材として作品を制作しています。本展示では、メインとなる吹き抜け空間に、伸長していく樹木の原理的構造を想起させる《基柱》が“個”として設される一方で、周囲の回廊には、複数の小品によってもたらされる“連なり”が対比的に展示されます。
素材との対話を通して生まれるその造形は、いずれも材質や質感の相違、そしてモノとしての量感や構造といった本質的な要素が際立つものですが、それと同時に作品が展示空間に対し、いかにして関係性を保ちながら成立するのかということが意図されています。木という自然物としての特性を意識しながら、作品と空間との関係性を追及し続ける藤井の作品世界をどうぞご覧ください。
会期:2015年5月2日(土)-9月6日(日)
休館日:毎週月曜日(5月4は開館)、5月7日(木)
観覧料:一般300(240)円、高校・大学生200(140)円、小中学生無料
※( )内は10名以上の団体料金 ※免除規定がありますのでお問い合わせください
※年間観覧券でもご覧いただけます ※同時期開催の展覧会もご観覧いただけます
※5月5日は無料観覧日
展覧会チラシ(1.08MB)(1.05 MB)
藤井忠行 FUJII Tadayuki プロフィール
主な個展
1986、87、88年 ラボラトリー(札幌)
1997年 中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(旭川)
2004年 チェジュアートギャラリー(済州・韓国)
主なグループ展
1987、88、80年 「北海道の美術―イメージ展」(北海道立近代美術館/札幌)
1990、92、98、03、08年 「アジアプリントアドベンチャー」(札幌、音威子府)
1991年 「島から島へ KOREA-PRINT-JAPAN」(済州島文藝開館/韓国)
2000、02、06、07、09年 「水脈の肖像展」(札幌、旭川、石狩、ソウル・韓国)
2000、02年 「旭川彫刻フェスタ」公開制作(旭川)
2001年 「6 ARTISTES JAPONAIS」(Atelier Visconti/パリ)
2001、06、08、10年 「立体表現展」(北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館/札幌)
2010年 「旭川彫刻フェスタ記念展」
(中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館、北海道立旭川美術館/旭川)
2011年 「帯広コンテンポラリーアート2011 真正閣の100日」(帯広)
「ハルカヤマ藝術要塞2011」(銭函春香山/小樽)
2014年 「ART IN SAKKURU 公開制作」(音威子府)
「FAR EAST コンテンポラリーアート2014」(旧大和小学校/北見)
その他
1990年 「旭川オペラ『ヘンゼルとグレーテル』舞台美術」(市民文化会館/旭川)
2001年~ 日本美術家連盟会員〔彫刻〕
2005年 旭川市科学館エントランスホールシンボルモニュメント制作(旭川)
2010、11年 北見市留辺蘂2条橋周辺広場モニュメント制作設置(北見)
2008~2012年 小熊秀雄賞選考委員