苫小牧ゆかりの木版画家・浅野武彦(1927-2016)は、北海道大学の医学部在学中に、白老に疎開していた川上澄生に師事し、木版画の指導を受けました。大学卒業後は、苫小牧市内の病院に勤務し、1960年苫小牧市立総合病院内科医長を務めるなど、医師として苫小牧市民の医療と健康を支えました。浅野は平日は医師業に専念する一方で、休日は版画家として作品制作に取り組みました。制作活動は生涯にわたって続き、1954年の札幌版画協会の創立に関わるなど北海道の版画界において重要な役割を果たしました。1992年には、長年の苫小牧への文化発展の貢献が評され、苫小牧市文化賞を受賞し、2004年からは2009年までの6年間苫小牧美術協会会長を務めるなど、苫小牧の美術界を支えました。
本展覧会では、浅野武彦の木版画作品約100点を「風景」「植物」「いきもの」「骸骨」の四つのグループに分けて紹介します。作品と併せて、書簡、年賀状、版画制作の道具なども展示し、川上澄生の指導の様子や芸術家同士のあたたかな交流も紹介します。自然やいきものへの愛情溢れる作品、医師ならではの鋭い観察眼が垣間見られる作品など、浅野武彦の真摯な眼差しによって捉えられた木版画の世界をご覧ください。
展覧会情報
開催期間 2019年12月7日(土)- 2020年1月19日(日)
休館日 月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)(1月13日(月・祝)は開館、翌火曜日休館)
開館時間 9:30-17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般300(240)円、高大生200(140)円、中学生以下無料
※( )内は10名以上の団体料金
※観覧料の免除規定についてはお問い合わせください。
※企画展観覧料で常設展示・収蔵品展・中庭展示も併せてご覧いただけます。
※年間観覧券でもご覧いただけます。
主 催 苫小牧市美術博物館
後 援 苫小牧信用金庫、北海道新聞苫小牧支社、株式会社苫小牧民報社、株式会社三星
《展覧会チラシ》
(5.24 MB)
※画像をクリックすると、チラシのPDFが開きます。
主な出品作品
浅野武彦《雲》1983年、個人蔵
浅野武彦《志んびじうむ》1987年、個人蔵
浅野武彦《群れ》1981年、個人蔵
浅野武彦《俊寛》1980年、個人蔵
関連イベント
※定員、申込の記載のないものは当日会場に直接お集まりください。
担当学芸員による展示解説会
企画展の展示解説をおこないます。
日時:2019年12月7日(土)、12月21日(土)11:00-11:30
場所:企画展示室
対象:一般 各回30名
参加料:当日有効の観覧券 ※中学生以下は無料
ワークショップ1「いも版でクリスマスカード、年賀状をつくろう」(終了しました)
さつまいもを彫っていも版をつくります。
たいせつな人にとくべつなカードを送ってみませんか。
日時:2019年12月15日(日) 10:00-12:00
場所:研修室
講師:当館学芸員
対象:小学4年生以上(小学3年生以下は保護者同伴)15名
持物:年賀状、筆ペンなど
受付期間:2019年12月3日(水)-12月14日(土)
申込:電話受付(0144-35-2550)※定員になり次第締切
ワークショップ2「紙版画をつくろう!」(定員に達しました)
画用紙から形を切り取って貼り合わせたものを版にして版画を刷ります。
彫刻刀を使わないため、どなたでも気軽に制作できます。
日時:2020年1月11日(土) 10:00-12:00
場所:研修室
講師:当館学芸員
対象:小学生以上(小学3年生以下は保護者同伴)10名
持物:汚れてもよい服
受付期間:2019年12月17日(火)-1月10日(金)
申込:電話受付(0144-35-2550)※定員になり次第締切
同時開催
収蔵品展「ユア・セレクション~所蔵名品選展より」
「苫小牧市美術博物館所蔵名品選」(2018)の会期中に実施した人気投票の上位にランクインした作品を紹介します。
会期:2019年12月7日(土)-2020年1月19日(日)
場所:第3展示室
中庭展示Vol.13 坂東史樹「小さくて深い空」 ※好評につき会期を延長します。
自身の夢や心象など、意識下に潜在する不可視のイメージを可視化する坂東史樹(1963- )による、苫小牧港をモティーフにしたインスタレーションを紹介します。
会期:2019年10月5日(土)-2020年3月29日(日)
場所:中庭展示スペース回廊