市街地上空を飛ぶ緑のハト
2021年7月28日
みなさん、こんにちは!自然史担当の学芸員の江崎(えざき)です。
今回から、休止していたブログの内容を一新します。
苫小牧の身近な生き物やあまり知られていない生き物の紹介をはじめ、自然史担当の学芸員がふだんどんなことをしているのかなど、博物館の活動の様子を毎月1回の更新を目指してお届けします。
初回に紹介するのは、今、苫小牧の街の上空を群れて飛んでいるアオバトという鳥です。
その名の通り、全身緑色(古来の日本ではアオは緑を指す)の美しいハトです。
北海道には5月中旬頃に飛来する渡り鳥で、主に山林で子育てをしています。


そのアオバトの20羽から50羽ほどの群れがいくつも、6月中旬頃から市街地や海岸の上空を行き来する光景が見られます。
私が住む市内西部では主に糸井地区から樽前地区の間で見られることが多く、国道36号線を西に走っていると、ほぼ毎日のように群れが上空を通過していきます。

群れの目的は海水です。
よく観察をしていると、群れは海岸の岩礁やテトラポッドに降り立ち、海水を飲む姿が見られます。
理由は諸説あるようですが、海水を飲むのは不足しがちなミネラルの補給のためと言われています。
例年の観察によれば、これからピークで徐々に数は減りますが、9月頃までは見られます。
市内には他にドバトとキジバトもいるので見分けが難しいですが、この時期に見られたハトの群れはアオバトの可能性が高いです。
跨線橋の上など高い場所や海岸が見つけやすいです。
ぜひ探してみてください。