
「中庭展示 ― Court Installation」は、当館の中庭展示スペースにおいて、その空間を活用したインスタレーションを紹介するシリーズ企画です。第21回目となる今回は、僧侶であると同時に美術家としても活動を展開する風間天心の新作をご覧いただきます。
「MELTY BUDDHA(メルティ・ブッダ)」と銘打つ本展では、仏像を彷彿とさせる人型の像が中庭空間の展示台中央に配置され、その周囲に複数の「仏像」が配されます。また、ガラスを隔てた回廊には、実際の供養に用いられる灯籠などの文物が作品として直接的に引用されます。
ロウを素材とする「仏像」は、いずれもキャンドルのように点灯できる仕様になっており、純粋芸術としての「彫刻」と、実用性を前提とする「工芸」との境界の曖昧化が試みられています。そこには、元来、信仰の対象として作られた工芸品でありながらも、明治期以降、「彫刻作品」として日本美術史の中に位置づけられてきた仏像のもつ二面性の炙り出しが意図されています。
この機会に、会期を通して融解を続ける「仏像」と、そこに仮託された作者の思念を感じてみてください。
開催概要
開催期間 2025年4月26日(土)- 11月30日(日)
休 館 日 月曜日(祝日の場合は開館、翌平日が休館)
開館時間 9:30-17:00(最終入場は閉館の30分前) 7/26・ 8/26〜8/30は夜8時まで開館
会 場 中庭展示スペース
観 覧 料 [4/26~7/11, 9/2~11/30]
一般300(240)円/高大生200(140)円/中学生以下無料
[7/12~8/31]
一般600(500)円/高大生400(300)円/中学生以下無料
※( )内は10名以上の団体料金です。
※5月5日(月・祝)、11月3日(月・祝)は無料観覧日です。
※観覧料の免除規定についてはお問い合わせください。
※常設展示・企画展・特集展示も併せてご覧いただけます。
※年間観覧券でもご覧いただけます。
作家プロフィール
風間天心(かざま・てんしん/僧侶・美術家) プロフィール
1979年東川町生まれ。2008年武蔵野美術大学油絵科大学院修了後、翌年、曹洞宗の大本山永平寺に修行のため安居。武蔵野美術大学パリ賞受賞により「Cité Internationale des Arts」(パリ)に滞在。宗教と芸術の相互作用を求め、札幌を拠点に国内外で多様な活動を続けている。http://www.tengshing-k.com/



左から:
※German Suplex Airlines名義 《令和の大仏》2023年(会場:モエレ沼公園ガラスのピラミッド)洞春寺蔵
風間天心《the Dispora》2014年(部分)作家蔵 photo by Yoshisato Komaki
風間天心《walk in the sea, swim in the woods 1》2016年 (会場:札幌芸術の森美術館中庭)作家蔵 photo by Yoshisato Komaki
※いずれも参考参考作品(本展では展示されません)
関連イベント
風間天心ワークショップ&イベント | 7月26日(土)
「美術博物館祭」の一環として、オリジナルの仏像づくりやキャンドルを素材にした作品づくりを実施します。ナイトプログラムとして、作家自身が展示作品にあかりを灯すイベントも実施予定です。
※ 詳細については、決まり次第お知らせします。
同時期開催
企画展「勇払幻視/北海道、勇払原野のイメージをたどる-砂田友治・北川豊・高橋伸・髙橋正敏」
会期:2025年4月26日(土)~6月29日(日)
会場:第1・2企画展示室
特集展示「苫小牧ゆかりの書 市内収蔵品展」
会期:2025年4月26日(土)~6月29日(日)
会場:第3企画展示室