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苫小牧市環境基本条例
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苫小牧市環境基本条例 (平成11年7月28日 条例第16号)


 苫小牧市は、道央南部に位置し、四季を通じて比較的温暖で過ごしやすい地域であり、世界でも珍しい溶岩円頂丘がある樽前山とその山麓に広がる緑と清流や、渡り鳥の中継地として知られているウトナイ湖を有する勇払原野等の自然に恵まれている。
 また、明治末期の製紙工場の立地を契機に工業都市として歩み始め、日本で初めての内陸掘込港と空港に近い利点を活かし、産業における拠点都市として北海道発展の一翼を担ってきた。
 苫小牧市は、恵み豊かな自然を守り、育み、環境の保全と産業を両立させてきたまちとしての礎を次代に引き継ぐべく、「人間環境都市」を宣言し、今日まで市民と郷土を大切にしたまちづくりを進めてきた。
 しかしながら、生活様式の変化や事業活動の拡大に伴う環境への負荷が、身近な環境に様々な影響を及ぼし、私たちのまちのみならず、地球全体の環境をも脅かしつつある。
 私たちは、今日、健康で文化的な生活に欠くことのできない良好な環境の恵みを享受する権利を有するとともに、こうした良好な環境を保全し、将来の市民へ引き継ぐ責務を負っている。
 このため、すべての者が地球環境の中で生きるものの一員であるとの自覚を持ち、先人の知恵と歴史に学びながら、創意と工夫をこらし、相互の協調と環境の保全に関する活動への参加により、環境への負荷の少ないまちづくりを推進することが、私たちの使命である。
 このような認識の下に、市民の総意として、人と自然が共生できる美しく住みよい苫小牧市の実現のため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、良好な環境の保全(快適な環境の維持及び創造を含む。以下「環境の保全及び創造」という。)について、基本理念及び施策の基本となる事項を定めるとともに、市、事業者及び市民の責務を明らかにすることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産及び人の生活に密接な関係のある動植物、その生育環境その他の自然環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。

(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、現在及び将来の市民が良好な環境の恵みを享受できるように適切に行われなければならない。
2 環境の保全及び創造は、市、事業者及び市民が、それぞれの責務を自覚し、自主的かつ積極的に、相互に協力し、及び連携して、環境の保全及び創造に関する活動が行われることにより、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会が構築されるように推進されなければならない。
3 地球環境保全は、人類共通の課題であるとともに、市、事業者及び市民の課題であり、事業活動や日常生活において積極的に推進されなければならない。

(市の責務)
第4条 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施する責務を有する。

(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生じる公害の防止又は自然環境の適正な保全に必要な措置を講じること等により、環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)
第6条 市民は、基本理念にのっとり、日常生活に伴う環境への負荷の集積が環境の保全上の支障の一因であることを認識し、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(環境白書)
第7条 市長は、毎年、環境の状況、環境の保全及び創造に関して講じた施策等を明らかにした苫小牧市環境白書を作成し、公表しなければならない。

第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策

第1節 基本方針及び環境基本計画

(施策の基本方針)
第8条 市は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本方針として、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施するものとする。
(1) 市民の健康の保護、生活環境の保全及び自然環境の適正な保全がなされるように大気、水、土壌等を良好な状態に保持すること。
(2) 人と自然が共生する環境の保全及び創造のため、希少な野生動植物の保護その他生物の多様性の確保を図るとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境を保全すること。
(3) 潤い、安らぎ、ゆとり等の心の豊かさが感じられる快適な都市の形成を図るため、身近な自然との豊かな触れ合い等を推進すること。
(4) 廃棄物の減量、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用等を促進すること。

(環境基本計画)
第9条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する長期的な施策の目標
(2) 環境の保全及び創造に関する施策の基本的事項
(3) 前各号に定めるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策の推進に必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民及び事業者の意見を反映させるために必要な措置を講じるとともに、苫小牧市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに環境基本計画を公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第2節 環境の保全及び創造に関する施策等

(環境影響評価の推進)
第10条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者が、自らあらかじめ、その事業の実施に係る環境への影響について調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、環境の保全について適正に配慮することができるように必要な措置を講じるものとする。

(規制の措置)
第11条 市は、環境の保全及び創造上の支障を防止するため、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれのある行為等に関し必要な規制の措置を講じるものとする。

(経済的措置等)
第12条 市は、市民、事業者又はこれらの組織する民間の団体(以下「民間団体」という。)による環境への負荷の低減のための施設の整備その他の環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう、助成その他の必要な措置を講じるように努めるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため特に必要があるときは、市民又は事業者に適正な経済的負担を求める措置を講じるものとする。

(環境の保全及び創造に関する施設の整備等)
第13条 市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設等の公共的施設の整備その他の環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講じるものとする。
2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講じるものとする。

(資源の循環的な利用等の促進)
第14条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民及び事業者による廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用が促進されるよう必要な措置を講じるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、廃棄物の減量、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効利用に努めるものとする。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第15条 市は、環境への負荷の低減に資する製品、原材料、役務等の利用が促進されるよう必要な措置を講じるものとする。

(環境への負荷の低減に関する協定の締結等)
第16条 市は、事業の実施に伴う環境への負荷の低減を図るため特に必要があるときは、環境への負荷の低減に関する協定の締結等必要な措置を講じるものとする。

(環境学習の推進)
第17条 市は、環境の保全及び創造について、市民及び事業者の理解を深め、これらの者による活動が促進されるよう、環境の保全及び創造に関する学習を推進するため必要な措置を講じるものとする。

(情報の提供)
第18条 市は、市民、事業者及び民間団体の環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、環境の保全及び創造に関する情報を適切に提供するように努めるものとする。

(情報の収集及び調査研究)
第19条 市は、環境の保全及び創造に関する情報の収集に努めるものとする。
2 市は、環境の保全及び創造に関する事項について必要な調査研究に努めるものとする。

(監視等の体制の整備)
第20条 市は、環境の状況を的確に把握するため、必要な監視、測定、検査等の体制の整備に努めるものとする。

(財政上の措置)
第21条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるように努めるものとする。

(施策の推進体制の整備)
第22条 市は、市の機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全及び創造に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
2 市は、環境の保全及び創造に関する活動を市民、事業者及び民間団体とともに推進するための体制を整備するよう努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)
第23条 市は、環境の保全及び創造のために広域的な取組みを必要とする施策については、国及び北海道その他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
第3節 地球環境保全の推進

(地球環境保全の推進)
第24条 市は、地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。
2 市は、国及び北海道その他の地方公共団体並びに市民、事業者及び民間団体と連携し、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

第3章 苫小牧市環境審議会

(環境審議会)
第25条 市長の附属機関として、苫小牧市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、環境基本計画の策定及び変更並びに環境の保全及び創造に関する基本的事項について調査審議するほか、環境の保全及び創造に関し、市長に意見を述べることができる。
3 審議会は、委員20人以内をもって組織する。
4 委員は、環境の保全及び創造に関し識見を有する者のうちから市長が委嘱する。
5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(苫小牧市公害対策審議会条例の廃止)
2 苫小牧市公害対策審議会条例(昭和44年条例第6号)は、廃止する。
(苫小牧市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正)
3 苫小牧市特別職の職員の給与に関する条例(昭和29年条例第9号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)
(苫小牧市公害防止条例の一部改正)
4 苫小牧市公害防止条例(昭和47年条例第1号)の一部を次のように改正する。
(次のよう略)

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